執筆:小林明人

柔道指導における私の考え方

こんにちは。いつも弊社のメールマガジンをご覧いただきありがとうございます。
今回は、このメルマガで度々登場する私のライフワークである柔道で、指導の際に心掛けていることをお話しします。

◇つい口にしてしまう言葉

「なんでできないの?」「なんで言うことを聞かないの?」。
子育て経験のある方なら、つい口から出てしまったことがあるのではないでしょうか。

柔道の指導でも同じです。「なんで言うことを聞かない」「なんでやらない」と言いたくなる場面は日常茶飯事。少年指導に携わる指導者がまず直面する壁と言えます。

子どもたちは試合に出られるレベルに達する以前に、まず「話を聞くこと」すら難しいことが多いのです。だからこそ「なんで言うことを聞かない」という言葉が出てしまうのです。

しかし、ここでつまずくと“言うことを聞く一部の子”だけを指導し、そうでない子は置いてけぼりになり、やがてはチームから離れてしまいます。

◇大会で耳にする「なんで」

柔道大会では、我がチームの選手だけでなく、他団体の指導者や選手の姿も目にします。
試合が白熱すれば、保護者も指導者も必死で応援し、会場は大きな声に包まれます。

その中でよく聞こえてくるのが、
「なんで攻めないんだ!」
「なんでそこで技を掛けないんだ!」
といった指導者の叫び。

そのたびに私は心の中でこう思います。
「それは、あなたがそう教えていないからでは?」

叱責された選手はどう感じるでしょうか。
多くの場合、内容を理解するのではなく「怒られた」とだけ受け止めるでしょう。
「先生が怒っているから頑張ろう」と思う子もいるかもしれません。
ですが、少なくとも私はそんな子に出会ったことはありません。

「なんで」は自分に投げかける言葉

本来それらの「なんで」は、指導者が自分自身に投げかけるものだと考えています。

  • 「なんで言うことを聞かない」→ どうすれば聞いてもらえるか?
  • 「なんでやらない」→ どうすれば行動してもらえるか?
  • 「なんで攻めない」→ どう教えれば試合で攻められるようになるか?
  • 「なんで技を掛けない」→ どう伝えれば試合で技を出せるようになるか?

相手にぶつけるのではなく、自分の指導を振り返る言葉に変える。これが私の方針です。

まるで園長先生

我がチームは「少年部(中学生まで)」と「青年部(高校生以上)」に分かれています。
私自身、かつては中学生に対してゴリゴリの稽古を付ける役回りだったのですが、今は主に未就学児から小学校低学年を中心に指導しています。
そんな姿を見たかつての教え子たちからは、“園長先生”と揶揄されています。

なぜ一番大変なこの年代を楽しんで指導できているのか。
理由はシンプルで、「1回の稽古で無理に多くを求めない」からです。

無理にあれもこれもやらせようとすると、すぐに「なんでやらない」「なんで言うことを聞かない」と言いたくなります。しかしそれを口にしてしまうと、結果として、子どもたちも、私も、柔道を楽しめなくなってしまうのです。

私の横にいるのは小学2年生の女の子。私がお手本を見せるよりも小さな子には分かりやすいので、よくアシスタントをしてもらっています。

肯定的な「なんで」は力になる

否定的に「なんで」を使うと子どもは萎縮しますが、肯定的に使えば効果抜群です。

ある子が技を覚えたときに、
「なんで急にできるようになったの?」
と褒め言葉として問いかける。
すると子どもは「家でパパと練習したの!」と誇らしげに答えてくれます。

否定の「なんで」は自信を削り、肯定の「なんで」はモチベーションを高めるのです。

◇本日のオススメ

「なんで」と思ったときは、相手にぶつけるのではなく自分に問い直すこと。
そして、肯定的に「なんで」を使って褒めること。
この2つを意識すると、大人の世界でも日常の人間関係も大きく変わると感じています。
「なんで」を上手に使うことは、人との関わりを良くするための大切なヒントになるはずです。

~あとがき~

これからも、皆様のお役に立ちそうな気になることを掲載してまいりますので、どうぞお読みください。


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