執筆:小林明人
最善の策ではありませんが、しばらく延命できます
こんにちは。いつも弊社のメールマガジンをご覧いただきありがとうございます。
今回は間近に迫ったWindows10サポート終了についてのお話です。
◇Windows10サポート終了の意味を正しく理解
「2025年10月14日以降、Windows10が使用できなくなる」という話。
正しくは、「使用自体は可能ですがセキュリティ更新が終了するため、とても危険な状態となり、利用を続ければ、自身のPCが“ウイルスの感染源”となって、ご自身だけでなく多くの人に迷惑をかける可能性が高るので、利用をやめるべき。」というのが、この問題の本質。
従って、「使えなくなる」のではなく、「危険なので使用をやめるべき」というものです。
◇耳寄りな情報「ESU」
そのような中、“個人向けのPCに限って無料で1年間延長して使える”という情報を耳にしました。
これは、Microsoftの拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)を、条件を満たせば無料で2026年10月13日まで使用できるというものです。

法人向けのものは有償で1年目61ドル、2年目122ドル、3年目244ドルと発表されています。
今回は、あくまでも個人ユーザー限定のお話です。
ESUとは、「拡張セキュリティ更新プログラム (Extended Security Update)」で、サポート終了後のWindows OS向けに、セキュリティ更新プログラムだけを提供する仕組みです。
◇ESUの登録条件
まず前提として、
- MicrosoftアカウントでPCにサインインしていること。
- Windows10のバージョンが「22H2」であること。
この両方が必要ですので、ローカルアカウントでサインインしている場合は、Microsoftアカウントに切り替える必要があり、バージョンを「22H2」にアップデートしておく必要があります。
次に、無料となるための条件としては、
- Windows Backupアプリを利用して、PCの設定情報をOneDriveに同期していること。
- Microsoft Rewardsで貯めた1,000ポイントと交換すること。
のいずれかを満たすことが必要です。
◇実際に登録してみました
Windows11のシステム要件を満たしていないPCを所有する私、Linuxへの乗り換えを計画しておりましたが、無料ならばと、このESU無料サービスを利用してみることにしました。
「Windows10のバージョンは22H2」「管理者権限のあるMicrosoftアカウントでサインイン」を確認し、無料条件のうち「Windows Backupアプリを利用して、PCの設定情報をOneDriveに同期する方法」で行うことにしました。
そして、毎日毎日、Windows Updateを行い、ESU登録のメッセージが出る日を待ちわびておりました。
しかし、10日ほどたってもなかなか出てきません。そしてある日「これがオフになっているからでは?」と思い、オンにしてみました。
それは、Windows Update画面にある「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」のスイッチです。

そして、再起動すると、ついに出ました、ESU登録のメッセージが!

これが出てくれば、あとは登録するだけ、早速、「今すぐ登録」をクリックしてESUプログラムに登録していきます。
①「拡張セキュリティ更新プログラムに登録して保護を維持しましょう」で「次へ」

②「追加料金なしで拡張セキュリティ更新プログラムに登録できます」で「登録」

③「2026年10月13日まで、延長セキュリティ更新プログラムに登録されています」で「完了」

たったのこれだけで、ESUプログラムの登録完了です。
◇2台目も登録できました
そして、このESUプログラム、同じMicrosoftアカウントならば、10台まで適用可能ということです。
同じMicrosoftアカウントの別PCで試したところ、問題なく登録することができました。
なお、追加で登録したPCは、「Windows Backupアプリを利用して、PCの設定情報をOneDriveに同期していること。」も「Microsoft Rewardsで貯めた1,000ポイントと交換すること。」はいずれも行っていませんが、適用できましたので、1台条件を満たしていれば大丈夫なようです。
ESUプログラムが適用されているか確認する方法は、Windows Update画面の右側に「お使いのPCは、拡張セキュリティ更新プログラムを取得するために登録されています。」と出ていればOKです。

◇決してESUプログラムだけで万全ではありません
さて、このESUプログラムですが、決してこれで万全ということではありません。あくまでも2026年10月13日までセキュリティ更新を受けられるということにとどまり、その他の機能更新や改善は一切行われません。
したがって、これは“延命策”に過ぎず、暫定的に 1 年間の猶予が与えられたと考えるのが妥当です。この期間はあくまで今後どうするのかを検討し、移行の準備を整えるための時間にすぎないことを忘れてはなりません。
◇なぜ、あのMicrosoftが延命策を打ち出したのか
StatCounterによると、2025年7月時点では、Windows11がWindowsシェアの53.39%を占めるものの、Windows10が42.99%と依然として高い状況にあることから、そういった判断をせざるを得なかったのだと推測します。
※StatCounterとは、OSやWebブラウザのシェア調査を公表しているサイトです。

そして8月に入ると、Windows11のシェアが下がり、Windows10がやや増えています。

今さらWindows10が2.66%増えている原因
僅かといえば僅かですので、誤差の範囲とも言えますが、以下の問題で一度Windows11にアップデートした人がWindows10に戻している可能性も考えられます。あくまでも私の推測ですが。
2025年8月12日に配信された「Windows 11 バージョン 24H2」の更新プログラム「KB5062660」、「KB5063878」を適用した環境で、特定のSSDが認識不能になる障害が報告されている。
◇本日のオススメ
もし、あなたがWindows11にアップデートできないPCをご利用で、今後もWindowsを使い続けたいと思われるなら、2026年10月13日までには、対応したPCに買い替えるしかありません。
なお、リサイクルショップなどで「非対応PCに Windows11 をインストールして販売している例」も見受けられますので、中古品購入の際はくれぐれもご注意ください。
また、どうしても今ご利用中のPC端末を使い続けるならば、Windowsはあきらめて、LinuxOSなどの無料で使えるOSへ乗り換えを検討するのも一案です。
Linuxディストリビューションの一つ、Linux Mintについては、過去の記事「vol.72 Linux Mintを使ってみました」でご紹介しておりますので、よろしければご覧ください。
~あとがき~
これからも、皆様のお役に立ちそうな気になることを掲載してまいりますので、どうぞお読みください。
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