執筆:小林明人
システムの災害対策
今日で、あの東日本大震災から15年。
今でも、あの揺れの衝撃をよく覚えています。
突然、大きくて長い揺れが襲い、収まったかと思ったところにもう一度。
その衝撃に、「これから先どうなってしまうのだろう」という不安が押し寄せてきました。
今回は15年前を振り返り、業務に欠かせない業務システムの災害対策についてお届けします。

◇試行錯誤
大きな二度の揺れに見舞われましたが、弊社には津波や原発事故などによる直接的な被害はありませんでした。とはいえ、日本中を震撼させる非常事態でした。
そのような状況下でも業務を遂行するため、直後から私たちは試行錯誤を重ねました。
固定電話も携帯電話もなかなか繋がらず、Eメールも数日遅れて届くこともあり、外部との連絡がほとんど取れず、午前中に新聞販売店へ納品した翌日の折込チラシがどうなっているのか、確認する術すらありませんでした。
弊社は幸い停電を免れたため、社内のコンピューターシステムは使用できましたが、もし電気が止まっていたら、完全に業務遂行が不可能になっていたところでした。
そして、大きな余震が続く中での配送の危険性や燃料不足などを理由に、数日間、折込チラシの配布を取りやめることを決定。その旨をお取引先へ連絡することに全力を尽くすこととなりました。
大多数のお取引先様にはすぐにご理解をいただけましたが、なかなかご納得いただけないお取引先も数社いらっしゃいました。
当時は現在ほど災害への意識が高くなかったこともあり、いたしかたない面もありましたが、説得には大変苦労しました。
しかし、もし業務システムが使えなければ、その連絡先すら確認できず、弊社の信用は失墜していたかもしれません。
◇防災対策を検討
震災から数か月後、災害時に業務を継続するためにはどのような対策が必要か、社内で検討しました。
そして「システムは命綱」という経験から、「稼働させるための電源確保が最優先」という結論に至り、対応をマニュアル化することになった次第です。
◇必要機器を購入
まず停電に備えて、発電機を購入。
しかし、この発電機だけではすべてのOA機器の電力を賄うことはできませんので、システムを動かすための最低限の電力を計算しました。
その結果、常用していたレーザープリンターの消費電力が大きく、このままでは運用が難しいことが判明、省電力なインクジェットプリンターを導入することになりました。
そのプリンターも、モノクロで必要最低限の仕様としました。それは、日常的に使用することも前提としているためです。カラー機はインクコストが意外とかかるため、あえてモノクロを選択しました。
また、インクジェットプリンターは使わない期間が長いとヘッドが固まり、印刷できなくなってしまうことがあります。そのため、日常的に使用することが重要です。
◇停電時に稼働させる機器
さまざまな検討を経て、停電時にはUPS(無停電電源装置)を経由して、次の機器を発電機に接続するという運用に決まりました。
- サーバー1台+モニター
- ノートPC 2台
- ブロードバンドルーター
- HUB
- インクジェットプリンター 2台
UPSは、数分間の電源確保だけでなく、サーバーやPCに安定した電圧を供給する役割もあります。
発電機から直接電源を供給すると、ノイズや電圧の不安定さによってサーバーやPCが故障するリスクがあるためです。
これだけ動けば、日常業務を継続するための最低限の体制は維持できます。

◇しかし、いつの間にか、なおざりに
その後数年間は、定期的な発電機の試運転などをマニュアルに沿って行っていました。
しかし「喉元過ぎれば熱さを忘れる」のことわざの通り、いつの間にか運用がなおざりに。
特に2020年のコロナ禍以降、点検が停滞してしまったように思います。
◇あらためて再構築
そのため現在、改めて災害対策を見直し、再構築を進めているところです。
考えてみれば、発電機を除く機器はほとんどが当時から入れ替わっており、消費電力も変わっているため、再計算が必要です。
◇あの時のインターネット
当時、電話はほぼ不通になりましたが、インターネット回線は生きていました。今思えば、光ファイバーがあの揺れでどこかで断線してもおかしくない状況だったと思います。
しかし、それから15年が経過、経年劣化も考えられますので、もし同規模の地震が起きれば、どこかで回線が破損する可能性もあるのではないかという不安があります。そのため、ポケットWi-Fiも予備回線として確保しています。
◇本日のオススメ
今回は、災害時でも業務システムを動かすための運用についてお話ししました。
現在は15年前と比べて、クラウド普及など、インターネットへの依存度が格段に高くなっています。
東日本大震災の際は回線が無事でしたが、次の大規模災害でも同じとは限りません。
だからこそ、万が一に備えた仕組みづくりが重要だと思います。
皆様のオフィスでも、ぜひ一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
また、防災対策の第一は、定期的にマニュアルを見直すことだと考えています。その積み重ねが、防災意識の維持につながるのではないでしょうか。
~あとがき~
これからも、皆様のお役に立ちそうな気になることを掲載してまいりますので、どうぞお読みください。
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