執筆:小林明人

とても優秀なセールスマンです

「はちみつレモン、最近見かけないなあ」と、ふと思い、このテーマを思いつきました。
今回は自販機、特に飲料の自販機にスポットを当ててお話ししたいと思います。

◇はちみつレモン

まずは気になる「はちみつレモン」について。

1986年サントリーより発売、かわいらしいパッケージも印象的で覚えてらっしゃる方も多いと思います。欧米で言うところのレモネード。当初は冬場のホット飲料として発売されましたが、狙いとは逆に夏場やスポーツ後の清涼飲料として大ヒットしました。

しかし残念なことに「はちみつ」と「レモン」という原材料名を組み合わせただけの商品名は「一般名詞」とみなされ商標登録が認められませんでした。多くのメーカーが似たようなデザインで製造販売し、当時の自販機にいろんな会社のはちみつレモンが並んでいたことを思い出します。

このブームは1989年にそのピークを迎え、その後「糖分過多は不健康」というムードもあって、本家のサントリーでは2003年に販売を終了。しかし時が過ぎ、“もう一度飲みたい"という声に応え、2011年容器は缶からペットボトルに替わり復活したようです。

◇私が子どもの頃は

(出典)
デイリー新潮

昭和40~50年代、そのころは、自動販売機で買える飲み物といえば、コーラやサイダー、甘いコーヒーなどの嗜好品、容器は『缶』がメインでした。そして今もたまに見かける瓶飲料の自販機。

これは「半自動式自販機」と呼ばれ、お金を投入後、自分で瓶を引き抜くもの。1962年米国メーカーによって日本に導入され、瓶飲料の自販機がスタートしました。

飲料容器と自販機の変遷

短い私の人生の中で、飲料容器は瓶から缶へ、そして今や主流はペットボトルに。容器の開発に当たっては、飲料の鮮度保持や化学反応による変質、容器の強度、ごみ問題など、食品衛生法等の法令や規制との戦いがあったようです。

特にペットボトルは、1982年に登場したものの、ごみの散乱を懸念し、リサイクルの取り組みが本格化する1996年まで、1リットル未満の小型サイズは製造を自粛していたとのこと。さぞかし長い年月だったことでしょう。

一方、自販機も容器の変遷に合わせ形を変え、500mlペットボトルが登場した翌年1997年には、ペットボトル対応の自販機がお目見えしました。14年間目論んでいたとはいえ、その開発のスピード、実行力には頭が下がります。

自販機売上の秘密

現在日本の飲料自販機は240万台、年間売上は約2兆円超というから、自販機恐るべし。この金額は世界一だそうです。治安の安定している我が国ならではの数字ですが、これだけ普及する理由はなんでしょう。考えてみました。

嗜好品から必需品へ変化》

当初、飲料は嗜好品的な位置づけでしたが、現在は必需品と言えるでしょう。これは、熱中症対策に水分が欠かせないという認識が広がったこともその一つです。

《ヒット商品の選定》

年間2兆円の市場に240万台ということは、1台あたりの年商は約83万円、そこから商品原価、電気代、メンテナンス費用などの経費を差し引くと、“ずごく儲かる”訳ではないので、確実に売れる商品を選定しています。つまり買い手にとっては欲しい商品が並んでいるのです。

◇本日のオススメ

経営的視点から考えると、自販機の最も凄いところは“無人で利益を生むこと”です。仕組みとマーケティングだけで利益を生むわけですから、究極のビジネススタイルと言えます。

しかし、これはあくまでも利便性を提供するBtoCビジネス。BtoBの場合はここまで究極的な手法は成立しないと思いますが、何かのヒントが眠っているのではないでしょうか。

フェィスtoフェィスが大切と考える弊社でも、お客様の利便性向上は企業一体となって日々取り組むべき重要テーマ、そういった「仕組みやマーケティング強化による、お客様の利便性向上」という観点から仕事を見直してみるのも、良いかもしれません。

皆様どうお感じになられましたでしょうか。

それにしても、はちみつレモンのような一過性ながらも大ヒットする商品やサービスは、経営者の夢ですね。

~あとがき~

これからも、皆様のお役に立ちそうな気になることを掲載してまいりますので、どうぞお読み下さい。


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