執筆:小林明人

GASを使って少しカスタマイズ、それほど難しくありません

◇Googleフォームは「お問合せ」に転用できます

前号の「vol.66 Googleフォームの使い方」でご紹介させていただいたGoogleフォームは、アンケートを目的としたものですが、ウェブサイトの「お問合せ」にも使用できます。

◇ちょっとした難点

メリットは前号でご紹介した通りですが、難点を挙げると、
①ビジュアルがある程度決まった形になってしまう。
②Googleフォームを使っていることがバレバレ。
③標準機能では、回答内容が管理者へのメールに記載されない。
④標準機能では、回答内容の通知メールは1つのGoogleアカウントにしか送信できない。
といったものです。

このなかで、私がどうしても改善したかった部分は、③と④でした。
調べてみると“Google Apps Script(通称GAS)を使えば解決できる”ということにたどり着きましたので、ご紹介させていただきます。

回答があった場合に管理者に届く標準機能のメールは、以下のように、回答があったことを知らせるだけですので、ちょっと不便です。

◇GASとは

Google Apps Script(GAS)とは、Googleが開発・提供しているプログラミング言語です。Googleのオンラインアプリをカスタマイズするために利用できます。

「言語」と聞くと難しそうで敬遠してしまいますが、「ネット検索で探してきたテキストの必要な部分だけを書き換える」というように、割り切ってトライしてみました。正直なところ私は、その言語全体の意味は理解できていません。

◇目的

今回の目的は、Googleフォームに回答があった場合に、以下のことを自動で行うことです。
✔ 回答内容をGoogleアカウント以外のメールアドレスに送信する。
✔ 送信先を複数設定する。
この2点です。

◇おおまかな手順

①Googleフォームを作り公開する。
②「スクリプトエディタ」に進み、「コード.gs」を記述する。
③保存する。
④「トリガー」に進む。
⑤「+トリガーを追加」をクリック。
⑥条件を選択して、保存。

◇詳しく解説

※長くなるので畳ませていただきました。こちらを開いてご覧ください。

①Googleフォームを作り公開する。

前号の「vol.66 Googleフォームの使い」をご覧ください。

②「スクリプトエディタ」に進み、「コード.gs」を記述する。

右上の三点リーダーから、「スクリプトエディタ」を選択します。

このような画面になるので、以下の操作を行います。
・Apps Scriptというロゴの右側に、任意の名称を記述します。これがプロジェクト名になります。
・言語を記述するフィールドを一旦すべて消去します。

・用意しておいたテキスト(言語)を貼り付けます。

用いるテキスト(言語)は以下の通りです。赤文字の部分を書き換えて使用してください。

function sendform01(e){
var items = e.response.getItemResponses();
var respondentEmail = e.response.getRespondentEmail(); // 回答者のメールアドレスを取得

var msg = '「あなたの好きなものは」に回答がありました。' + '\n\n';
msg += '回答者のメールアドレス: ' + respondentEmail + '\n\n'; // メールアドレスを追記

for (var i = 0; i < items.length; i++) {
var item = items[i];
var q = item.getItem().getTitle();
var a = item.getResponse();
msg += '【' + q + '】 ' + a + '\n';
}

GmailApp.sendEmail('送信先メールアドレス①,送信先メールアドレス②', '「あなたの好きなものは」', msg);
}

ここまでできたら、フロッピーマークをクリックして保存します。

④「トリガー」に進む。

⑤「+トリガーを追加」をクリック。

⑥条件を選択して、保存。

・「イベントのソースを選択」を「フォーム送信時」に変更。
・「エラー通知設定」を「今すぐ通知を受け取る」に変更。
・そして「保存」します。

☆以下のような警告が出る場合がありますが、焦らずにもう一度保存をしてください。

警告出現後に再度、保存を試みると、以下のような画面になりますので、対象のGoogleアカウントを選択してください。

次に、このような画面で「高度な」をクリックします。

「〇〇〇〇へ進む(安全ではありません)」と表示されますが、大丈夫ですのでクリックしてください。

「許可する」をクリックしてください。

以上で、完了です。

◇テストします。

テストでGoogleフォームから回答すると、以下のようにメールが届きました。

◇本日のオススメ

Googleフォームを自社サイトのお問合せに用いる最大のメリットは、何と言ってもセキュリティーです。

特に、最近見かけることは少なくなりましたが、ウェブサイトにEメールアドレスがそのまま掲載されていることがあります。これは非常に危険ですのですぐにでも改善されることをオススメします。

その危険とは、フィッシングメールなどの迷惑メールの標的になりやすいというもの。フォームを使っていれば、メールアドレスをウェブ上に晒すことはありませんので、ひとまず安心です。

しかし、自動返信メールで実在のメールアドレスから送信すると、やはり危険を伴います。Googleフォームであれば、そういった危険はありません。

先に挙げた「①ビジュアルがある程度決まった形になってしまう。」「②Googleフォームを使っていることがバレバレ。」という点を我慢できれば、Googleフォームは利用価値が高いと思います。

~あとがき~

これからも、皆様のお役に立ちそうな気になることを掲載してまいりますので、どうぞお読み下さい。


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