執筆:小林明人
総会の季節ですね
メルマガvol.23『ボランティア活動』でも触れましたが、かつて子どもが通う中学校でPTA会長を、そして高校でも役員をやっておりました。
PTAは、社内でも大変盛り上がる話題。実体験に基づく苦労話や、存在の是非、謎、等々。メディアで取り上げられることもありますが、概ね否定的な意見です。
理由は数多く挙げられますが、時間的拘束が第一の理由ではないでしょうか。そして、存在理由がよくわからないこともモヤモヤの原因と思われます。
今回は、PTAの意義と、PTAをどのように捉えるとスッキリするか、8年のPTA活動で生まれた私なりの考えを述べてみたいと思います。
◇発足の歴史
日本PTA全国協議会からいただいた資料に、終戦直後GHQは文部省社会教育局にアメリカのPTA資料を提示し日本におけるPTAの結成を指導した、との記載があります。教育の民主化のために進められた“父母と先生の会”、これがPTA=Parent-Teacher Associationです。
「子どものすこやかな成長を はかることを目的とした団体」であり、その目的を達成するために”父母と先生”が学習活動など必要な活動を行うために組織されました。
◇現代のPTA
4月になるとPTA総会が開かれ、年間行事や役員の承認が行われます。また、活動資金として先生方と父兄から集められるPTA会費についても議題に上がります。
その金額は、学校の規模にもよりますが、公立の小中学校で年間で数十万円から数百万円、規模の大きな私立だと数千万円にのぼります。
このお金が”父母と先生の学習活動”ではなく、子どもたちの活動費や教材・備品等に使われていることがあり、発足当初の目的から離れている現状が垣間見えます。
これをPTAのあるべき姿と照らし合わせて問題視する意見もありますが、うやむやになっている。これがPTA問題を複雑にしている大きな要因であると私は考えています。
発足当初の理念から離れ現状を受け入れ、PTAを「学校に金銭的な援助をする資金管理団体」と認めれば、だいぶストレスが軽減されるような気がします。
◇実例
高校でのPTA活動はコロナの真っ只中、各種イベントが中止となり、資金に大きな余剰が出ました。会議での一番の議題は、余ったPTA会費をどうするか。
2000人の私立高校のPTA会費ですから、かなりの金額です。
「余ったのなら返還すべき」という意見が多く出たのは言うまでもありません。しかし、学校サイドとしては「それは困る。返還ということは会費を下げるのと同じこと。一度下げた会費を上げるのは容易ではない。」との説明。
結局は「子どもたちの胃袋にいれてはどうか」という意見で、“地元飲食店の支援イベント“というテーマのもと、何度か豪華お弁当をランチタイムに配布することで一件落着しました。
学校運営にPTA資金をあてにしている様子をお分かりいただけたと思います。
◇学校の運営費不足
公立小中学校では、その依存度はさらに高く、聞いた話ですが学校の裁量で、ある程度自由に使えるお金は年間で100万円に満たないそうです。ですから、体育祭や文化祭はもちろん、突発的に必要となった教材費などもPTA会費から捻出されるケースは多いと思います。
小中学校は義務教育です。学校がPTA資金をあてにしている状況は正しいとは思えませんが、長い歴史の中で培われた慣習ですので、すぐに改革することは難しいでしょう。
しかし、教育委員会や文部科学省はこのことをよく認識する必要があると考えます。
◇活動はやりたい人で
現時点では、資金拠出の面でPTAは必要でしょう。そして資金運用の不正防止のために、会長や役員という責任者を置いた組織を編成するのは致し方ないと思われます。
しかし、行事参加等での時間的拘束は改善の余地があると思います。
昔は外での仕事を持たないお母様方が多くいらっしゃったので、生き生きと社会貢献できる場、横のつながりを持てる場としても、その活動は有意義であったのでしょう。しかし今は女性の有業率も高く、また様々なネットワークによる母親同士の交流も可能です。
時間的拘束を伴う奉仕活動については強制せず、やりたい人が無償でやる。もし誰もいなければ有償で外部委託して解決すれば良いのではないでしょうか。
◇本日のオススメ
会費を集める団体に関わる場合は、まず資金管理団体ということを念頭に置くと、話しが分かりやすくなります。
PTAも同様で、そう考えて運営し参加すれば、もっと話しが単純化できると思います。
(このメルマガでは、あまり政治的意見を述べないようにしてまいりましたが、PTAの実態をお伝えするために少々私見を展開させていただきました。何卒ご容赦ください。)
~あとがき~
これからも、皆様のお役に立ちそうな気になることを掲載してまいりますので、どうぞお読み下さい。
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